適応障害に関して重要な理論はもう一つあります。【菜月じゅんカウンセリングルーム】

2021年1月1日ストレス, 仕事, 適応障害

皆さんこんにちは!臨床心理士の菜月じゅんです!

前回は、適応障害を引き起こすストレスを語る上で大事なストレス理論である、セリエの汎適応症候群について解説させて頂きました!

今回は、もう一つの重要なストレス理論についてお話させてください!

【ラザルスの認知的評価理論】

セリエの汎適応症候群に加え、大事なストレス理論というのが、ラザルスの認知的評価理論です。

「ラザルスの認知的評価理論」とは、アメリカの心理学者ラザルスが、ストレッサーを受け取った後、どのような過程でストレス反応が出るのかについてまとめた理論のことをいいます。

ラザルスの認知的評価理論では、ストレッサーが発生したときに自分にとって脅威かどうかの判断と、自分がそれを対処できそうかどうかの判断を行ない、ストレッサーが自分にとって脅威であり、対処できないものであるときにストレス反応が生じるとされます。

そして、今説明した自分にとって脅威かどうかの判断のことを「一次的評価」と言います。一方、自分がそれを対処できそうかどうかの判断のことを「二次的評価」といいます。

ラザルスの認知的評価理論の流れを改めて整理しましょう。

流れとしては、ストレッサーに遭遇、一次的評価、二次的評価、ストレス反応ということですね。

それではストレス反応が高く出るときの例について見てみましょう。

ストレッサーとして「ミスを上司から怒られた」。一次的評価として「怒られて怖い」と脅威に感じる。二次的評価として「どうすれば上手くいくのかわからない」と対処できなさそうに思える。ストレス反応として、緊張90%、胃痛70%、不安70%といった結果になるという例が考えられますね。

今度は、ストレス反応が低く出る例について見ていきましょう。

ストレッサーは「ミスを上司から怒られた 」状況。一次的評価として「ミスを怒られるのは教育の為であり、人として嫌われている訳ではないだろう」と脅威ではないと判断。二次的評価として「再発防止策を考えれば次は多分大丈夫だ」と対処できそうだと判断。ストレス反応として、緊張50%、胃痛10%、不安30%といったことがあるかもしれません。

さっきのストレス反応が高く出る例と比べると、緊張や胃痛、不安の度合いが下がっていることがわかりますね。

これは、ストレッサー自体は変わらないですが、一次的評価と二次的評価が変わることによってストレス反応も変わることを意味しています。

つまり、ストレッサーに対して、脅威ではない、対処できそうだ、と思えればストレス反応はあまり出ないということですね。

しかし、「それが出来れば苦労しないよ」と思いましたか?

その通りですね。でもご安心ください。そのように思えるようになる方法もあります。それは追々お話させて頂きますね。

また、前回お話したセリエの汎適応症候群と、今お話したラザルスの認知的評価理論を考慮すると、ストレスがかかって疲憊期に突入すると適応障害になる可能性が高くなる為、疲憊する前の段階、つまり、警告反応期や抵抗期にストレッサーに対して「脅威ではない」「対処できそうだ」と思えれば良さそうですね。

あるいは、ストレッサー自体を取り除くことができれば、それも良さそうですね。

それらのようにすれば、適応障害を予防したり、適応障害から回復したりできそうに思えますよね。

じゃあどうすればいいのか?

その戦略は追々お話していきますので、楽しみにしていてください!

今回は、適応障害を語る上で重要なストレス理論である、ラザルスの認知的評価理論について解説させて頂きました!

次回は、自分のストレス状態を知る方法についてお話していく予定です!お楽しみに!

臨床心理士の菜月じゅんでした!それではまた!