適応障害の予防や回復の方法を解説します【認知行動療法オンラインカウンセリングルーム】

皆さんこんにちは!臨床心理士の菜月じゅんです!

前回は、ストレス状態を知る方法について解説させて頂きました!

今回は、適応障害の予防や回復の方法についてのお話をさせてください!

【ストレスコーピング】

適応障害の予防や回復で大事なことは、適応障害の原因であるストレスへの対処ですよね。

ストレスの対処の技術として心理学には「ストレスコーピング」というものがあります。

「ストレスコーピング」とは、ストレッサーを処理しようとして意識的に行なわれる認知的・行動的な対処のことです。

ここでいう認知的というのは考え方の側面という意味です。

そしてストレスコーピング、短く単にコーピングとも言いますが、コーピングには大きく3種類あります。

問題焦点型コーピング、情動焦点型コーピング、ストレス解消型コーピングです。

「問題焦点型コーピング」とは、ストレッサーに対する問題解決を行なうコーピングのことです。

「情動焦点型コーピング」とは、考え方を変えたり、感情を外に出すコーピングです。

「ストレス解消型コーピング」とは、気分転換したり、心身をリラックスさせるコーピングをいいます。

このようにコーピングには、 問題焦点型コーピング、情動焦点型コーピング、ストレス解消型コーピングの種類があります。

【ストレス解消型コーピング】

そして、すでに適応障害になってしまった人は、まずはストレス解消型コーピングで自分の心と身体にエネルギーを取り戻すことが重要です。

そうじゃないと、他のコーピングを行なう元気が湧いてこないですよね。

たとえば問題焦点型コーピングは、具体的な問題解決の行動を取ることになるので、それには努力が必要であり、努力するには元気がある程度必要ですね。

その為、まずはストレス解消型コーピングで元気を取り戻しましょう。

具体的には、休職したり、過ごす場所を変えたり、普段しないことをしたり、家でだらだら過ごしたりすることなどがあるかもしれませんね。

【情動焦点型コーピング】

そして、適応障害になっている人がストレス解消型コーピングの後に行なうことは、情動焦点型コーピングです。

情動焦点型コーピングとして、悩みを知り合いに話したり、カウンセリングで話すことで感情を出すと、問題解決されていなくてもある程度心がすっきりする感じがあると思います。

このように感情を出すことで心がすっきりすることを心理学で「カタルシス効果」といいます。

また、情動焦点型コーピングとして、ストレッサーへの考え方を軽くし、ストレス反応を減らしていきます。

これはすでにある適応障害の症状の緩和にもつながりますし、今後の適応障害の予防にもなります。

なぜなら、ストレッサーに遭遇しても「脅威ではない」「対処できそう」と思いやすい自分になり、ストレス反応を少なくできるからです。

それはラザルスの認知的評価理論の解説のときにも話しましたね。

【問題焦点型コーピング】

そして、適応障害の人が行なうコーピングとして、ストレス解消型コーピングを行ない、次に情動焦点型コーピングを行なったら、次はいよいよ問題焦点型コーピングに着手しましょう。

問題焦点型コーピングでは、問題解決を行ないますが、その内容は一律ではありません。

なぜなら、適応障害の人が抱える問題は多様であり、問題が多様なら解決策も多様だからです。

そのように多様ですが、少し例を挙げてみましょう。

たとえば、営業ノルマが達成できずに上司にめちゃくちゃ怒られて適応障害になった人を想像しましょう。

その人の抱える問題は、たとえば、現時点での営業スキルの低さ、もともと営業業務への適性の低さ、営業ノルマがもともと高すぎる設定、上司がもともと理不尽など色々考えられます。

そしてこれ以外にも問題は色々考えられるでしょう。

そしてもし上司が理不尽な人であるのであれば、解決策としては、その上司と距離を置くことや、頑張って仲良くなるということが考えられるでしょう。

でも、頑張って仲良くなるのは、かなり骨が折れそうですけどね(笑)

このように、適応障害の回復や予防の一つの方法として、ストレスコーピングあります。

ストレスコーピングは一人でもできますが、カウンセリングやデイケアなど専門家と一緒に行なうとより効果的でしょう。

今回は、適応障害の予防や回復の方法についてのお話をさせて頂きました!

次回は、適応障害の予防や回復に役立つストレスコーピングのさらなるテクニックについてお話していこうと思っているので、お楽しみに!

臨床心理士の菜月じゅんでした!それではまた!

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