皆さんこんにちは!臨床心理士の菜月じゅんです!
前回は、適応障害を引き起こすストレスやストレッサー、ストレス反応についての解説させて頂きました!
今回は、ストレスのメカニズムについての理論の解説を行ないますので、お楽しみに!
【セリエの汎適応症候群】
ストレス理論の一つに、セリエの汎適応症候群という理論があります。
これは適応障害を語る上で重要なので、セリエの汎適応症候群の話をさせてください。
「セリエの汎適応症候群」とは、カナダの生理学者セリエが、脅威的で対処困難なストレッサーを受け取ったときに発生する身体的ストレス反応を時期ごとに分類した理論のことです。
そのストレス反応の時期は4つあり、次の順番で進行していきます。一番目が「ショック相の警告反応期」、二番目が「反ショック相の警告反応期」、三番目が「抵抗期」、四番目が「疲憊(ひはい)期」です。
この4段階についてこれから説明していきます。
【ショック相の警告反応期】
「ショック相の警告反応期」は、身体的ストレス反応として、まず初めに一時的な身体の抵抗力の低下が起きる時期です。
たとえば、警告反応期におけるショック相の例としては、締切が迫っている中で急いで作業をすることによって、疲労、緊張、過食などになることが挙げられると思います。
【反ショック相の警告反応期】
次は反ショック相の警告反応期です。
「反ショック相の警告反応期」は、ショック相の後、身体を守るために抵抗力が向上する時期のことです。
警告反応期における反ショック相の例を挙げましょう。
たとえば、1週間締切に追われて作業をすることによって、疲労を感じにくかったり、緊張、過食などがあるかもしれませんね。
【抵抗期】
次は抵抗期です。
「抵抗期」は、警告反応期以降も脅威的で対処困難なストレッサーが続く場合、高い抵抗力を維持する時期です。
抵抗期の例としては、1ヶ月間24時まで残業続きの状況によって、疲労を感じにくくなったり、緊張、過食があるかもしれません。
【疲憊(ひはい)期】
次は、疲憊期です。
「疲憊期」は、抵抗期以降も脅威的で対処困難なストレッサーが続く場合、抵抗力が急激に落ちる時期です。
疲憊期の例を挙げてみましょう。
たとえば、3ヶ月間24時まで残業を続けたことによって、疲労、緊張、吐き気、不眠の症状が出るかもしれませんね。
そして、このように疲憊期まで進行してくると、それが「適応障害」の状態であると言えるでしょう。
以上のように、脅威的で対処困難なストレッサーを受け取ったときに発生する身体的ストレス反応を時期ごとに分類したものが「セリエの汎適応症候群」です。
今回は、ストレスのメカニズムを表す理論の一つとして、セリエの汎適応症候群の解説させて頂きました!
でも実は、適応障害を語る上で大事なストレス理論は他にもあります!
それは次回お話しますので、楽しみにしていてください!
臨床心理士の菜月じゅんでした。それではまた!