皆さんこんにちは。
カウンセリングを行なっている臨床心理士の菜月じゅんです。
皆さん、自分は毒親がいる機能不全家族で育ったアダルトチルドレンだと感じていらっしゃいますか?
でも、どうすればアダルトチルドレンを克服できるのかわからないと感じていらっしゃいますか?
- 【アダルトチルドレンを克服する方法】
- 【過去の心の傷を癒す】
- 【対決】
- 【毒親との対決の前提】
- 【親と対決する目的ではないもの】
- 【親と対決する目的】
- 【対決の結果、親ができると良いこと】
- 【対決後のパターン】
- 【対決するメリット】
- 【対決するデメリット】
- 【対決にあたっての考え方】
- 【対決の前にクリアしておくべき条件】
- 【誰に責任があるか適切に認識する】
- 【毒親と話すときに自己防衛的にならない対応】
- 【自己防衛的にならない対応の練習】
- 【対決時の毒親のネガティブ反応】
- 【対決時の毒親のネガティブ反応への対応】
- 【対決の前や後に思い出したいこと】
- 【対決の方法】
- 【両親それぞれ個別に手紙を書く】
- 【手紙を親の写真や親の墓に向かって一人で読み上げる】
- 【対面で話す】
- 【まとめ】
【アダルトチルドレンを克服する方法】
アダルトチルドレンを克服する方法としては、次のようなものがあると考えられています。
・安全を確保する
・家族と自分を理解する
・過去の心の傷を癒す
・未来の人生を豊かにする
・自分が毒親にならないようにする
【過去の心の傷を癒す】
そして、アダルトチルドレンを克服する方法の「過去の心の傷を癒す」については、次のようなものが考えられています。
・抑圧してきた感情を安全な形で表出する
・毒親からもたらされた自分の歪みを治す
・自分へのメッセージを否定的から肯定的に変える
・傷ついた自分のインナーチャイルドを癒す
・毒親との関わり方を知る
・毒親との健全な境界線を作る
・精神的に親と別れる
・対決
・許す
・物理的に親と別れる
・過去から学びを得る
以上が過去の心の傷を癒すこととして考えられます。
今回は、アダルトチルドレンを克服する方法の「過去の心の傷を癒す」の中の「対決」について、わかりやすく解説していきたいと思います。
【対決】
対決について。
アダルトチルドレン克服の文脈における「対決」とは、親と向き合ってコミュニケーションを取るということです。
親の言うことにただ従ったり、親からの虐待にただ耐えていたり、親の望むことを言ったりやったりするというのは、「対決」ではありません。
「対決」は、親と向き合う恐怖があっても、親の虐待によって自分が傷ついてきたことや自分の考えや気持ちを話すということです。
そのように親と対決することによって、親のしがらみを乗り越えて自分の人生を歩む一歩になると考えられています。
【毒親との対決の前提】
毒親との対決の前提について。
毒親との対決の前提としては、次のようなものがあります。
・対決はしてもしなくてもよい
・対決の目的は相手を打ち負かすことではなく自分を癒やすこと
毒親との対決の前提として以上のことを踏まえておきたいです。
【親と対決する目的ではないもの】
親と対決する目的ではないものについて。
親との対決において、親と対決する目的ではないものもあります。
それは、復讐、罰すること、けなすこと、怒りをぶちまけること、親から何かを引き出すことなどです。
そういったことは対決の目的ではないとされています。
【親と対決する目的】
親と対決する目的について。
親と対決する目的は、親と向き合って話すこと、恐怖を乗り越えること、親に真実を語ること、今後の親との関係を考えることなどです。
それらの目的が重要だと思えるようであれば、対決することにも価値があるのかもしれないですね。
【対決の結果、親ができると良いこと】
対決の結果、親ができると良いことについて。
対決の結果、親ができると良いこととしては、親の影響によって子どもに被害があったことを認めること、子どもに謝罪すること、改善の努力をすることなどが考えられます。
しかし、対決の結果これらが得られない可能性が高いことは覚悟しておきたいところです。
【対決後のパターン】
対決後のパターンについて。
対決後のパターンは何種類か考えられます。
たとえば、子どもの苦しみと親の責任を親が多少理解したパターン、親がほとんど理解を示さなかったパターン、親が毒性を強めるパターンなどが考えられます。
子どもの苦しみと親の責任を親が多少理解したパターンの場合は、毒性の低い親になる可能性があります。
そして、親がほとんど理解を示さなかったパターンの場合は、親との関わりを今後限定して関わりを減らしていくことが現実的かもしれません。
そして、親が毒性を強めるパターンの場合は、親との関わりを一定期間断ち、その後に再度対決してみて、それでも親とのやりとりが不毛な場合は親との関係を断つことも検討することも大事だとされています。
【対決するメリット】
対決するメリットについて。
対決するメリットとしては、親への恐怖を克服できること、自分が親との関係をどうするか決められること、親の態度が改善する可能性も多少あることなどがあると考えられます。
【対決するデメリット】
対決するデメリットについて。
対決するデメリットとしては、ストレスが増える可能性があること、親との関係が悪くなる可能性があること、親から復讐される可能性があること、親の反応によっては強い落胆や悲嘆を味わう可能性があることなどがあると考えられます。
以上のような対決の目的や対決後のパターンや対決のメリットデメリットを考慮して、自分が親と対決した方が良いか、しない方が良いかよく考え、対決が役に立ちそうであれば頑張って対決してみましょう。
【対決にあたっての考え方】
対決にあたっての考え方について。
対決にあたっての考え方としては次のことが大事だとされています。
・親を変えることを諦める
・親からの愛情を諦める
・親に対して反射的に反応することをやめる
・親と理想的な関係を持つ幻想を諦める
これらの考え方を持っていないと、対決をしたときに改めて親との関係に絶望してしまうかもしれません。
【対決の前にクリアしておくべき条件】
対決の前にクリアしておくべき条件について。
対決の前にクリアしておくべき条件としては、次のようなものがあるとされます。
・親や兄弟以外に仲間がいること
・子どものときのことを自分に責任がないと確信できていること
・自己防衛的にならない対応を十分に練習していること
・対決の結果の親からのネガティブな反応に対処できる強さが自分にあると感じること
これらの条件をクリアしておくことが、対決を上手くいかせることにつながってくると考えられます。
【誰に責任があるか適切に認識する】
誰に責任があるか適切に認識することについて。
誰に責任があるか適切に認識して、子どものときのことを自分に責任がないと確信しておくことが大事です。
それでは、誰に責任があるか適切に認識する方法について解説をしていきます。
誰に責任があるか適切に認識するには、まずは子どもだった自分をイメージしていきます。
そして、子どもだった自分に対して「子どもの君に○○の責任はない」と言っていきます。
その際の子どもの自分に言う言葉の例としては次のようなものがあるので参考にしてみてください。
たとえば
・「親があなたを放置して粗末に扱ったことについて子どもの君に責任はない」
・「親があなたを愛する価値がない人間のように扱ったことについて子どもの君に責任はない」
・「親から残酷な言葉や思いやりがない言葉でからかわれたことについて子どもの君に責任はない」
・「親からひどい言葉で罵られたことについて子どもの君に責任はない」
・「親自身の不幸について子どもの君に責任はない」
・「親自身の抱えている問題について子どもの君に責任はない」
・「親自身の問題に親が対応しなかったことについて子どもの君に責任はない」
・「親がアルコール中毒であることについて子どもの君に責任はない」
・「親が酔ったときに行なったことについて子どもの君に責任はない」
・「親があなたに暴力を振るったことについて子どもの君に責任はない」
・「親があなたに性的な行為をしたことについて子どもの君に責任はない」
などが子どもの自分に言う言葉の例として考えられます。
このように、子どもだった自分に対して「子どもの君に○○の責任はない」と言っていきます。
そして、「私の親は○○に責任がある」と言っていきます。
また、「大人である私には○○の責任があります」と言っていきます。
大人の自分に言う言葉の例としては、次のようなものがあるので参考にしてみてください。
たとえば
・「親から独立した一人の人間になることについて大人の私に責任があります」
・「親との関係を正直に見つめることについて大人の私に責任があります」
・「自分の子供時代について目をそらさずに真実を見つめることについて大人の私に責任があります」
・「子供時代に起きた出来事と、大人になってからの人生とのつながりについて、認める勇気を持つことについて大人の私に責任があります」
・「親に対して本当の感情を表現する勇気を持つことについて大人の私に責任があります」
・「現在親が生きていようが死んでいようが、親が自分の人生に及ぼしているコントロールとはっきり対決し、それを減少させることについて大人の私に責任があります」
・「自分が人に対して残酷だったり、人を傷つけたり、人をこき下ろしたり、人の心を操ったりするような行動を取る事があれば、それらを改めることについて大人の私に責任があります」
・「親に負わされた傷を癒すため、適切にサポートしてくれる人たちを見つけることについて大人の私に責任があります」
・「大人としての自分の力と自信を取り戻すことについて大人の私に責任があります」
などが大人の自分に言う言葉の例として考えられます。
このように、大人の自分に対して「大人の君には○○の責任があります」と言っていきます。
以上のようにして、誰に責任があるか適切に認識して、子どものときのことを自分に責任がないと確信していきましょう。
【毒親と話すときに自己防衛的にならない対応】
毒親と話すときに自己防衛的にならない対応について。
毒親と話すときに自己防衛的にならない対応を十分に練習していることが、対決の前にクリアしておくべき条件としてありました。
毒親と話すときに自己防衛的にならない対応の方法としては、たとえば次のようなものがあります。
・相手の発言をただ受け止める
・親が話をしたら「そうなんだ」と言う
・親が話をしたら「なるほど」と言う
・親が話をしたら「そういう風に考えてるんだね」と言う
・自分の考えやスタンスをはっきり自覚する
以上が毒親と話すときに自己防衛的にならない対応として考えられますので、対決の前にはこれらがちゃんと実践できるように事前に練習を重ねておきましょう。
【自己防衛的にならない対応の練習】
自己防衛的にならない対応の練習について。
自己防衛的にならない対応の練習としては、たとえば、一人でロールプレイをしたり、知り合いとロールプレイするなどが考えられます。
【対決時の毒親のネガティブ反応】
対決時の毒親のネガティブ反応について。
対決時の毒親のネガティブ反応としては、たとえば次のような反応がありえます。
・事実の否定
・非難
・すでに謝罪したと言ってくる
・自己正当化
・良かった部分を語る
・恩知らずだと言ってくる
以上のような対決時の毒親のネガティブ反応がありえます。
【対決時の毒親のネガティブ反応への対応】
対決時の毒親のネガティブ反応への対応について。
対決時の毒親のネガティブ反応への対応としては次のようなものが考えられます。
「事実の否定」への対応としては、たとえば「あなたが覚えていないからといってこの事実がなかったということにはなりません。あなたが覚えていなくても私は覚えています」という対応が考えられます。
「非難」への対応としては、たとえば「そうやって私のせいにするのは勝手だけど、そんなことをしても、私が子供のときにあなたがしたことの責任から逃れることができる訳ではありません」という対応が考えられます。
「すでに謝罪したと言ってくる」への対応としては、たとえば「謝罪してくれたのは感謝するけど、それが口だけではなくて、心から申し訳なかったと思っているなら、今後は私が話をしたいと言ったときはいつでも応じてくれて、私と良い関係を保つように努力してくれるということですよね」という対応が考えられます。
「自己正当化」への対応としては、たとえば「あなたが苦労したことはわかるし、私を苦しめようと思ってわざと苦しめたのではないと思います。でもあなたは自分の子供を苦しめたのだという事実をあなたには知ってもらいたいです」という対応が考えられます。
「良かった部分を語る」への対応としては、たとえば「私の為にしてくれたことには感謝しています。でもあなたが私にひどいことをしたことを埋め合わせることにはなりません」という対応が考えられます。
「恩知らずだと言ってくる」への対応としては、たとえば「悲しい思いをさせて申し訳ないけど、この話をやめるわけにはいきません。私も長い間傷ついてきたんです」という対応が考えられます。
また、そのほかの親のネガティブ反応への対応アイディアとしては、次のようなものもあるかもしれません。
・「あなたはもちろんそういう見方をするでしょう」
・「そのように私を罵ったり、わめいたりしても解決しません」
・「そのような決めつけは受け入れられません」
・「そのようなことを言うこと自体が話し合いが必要という証拠です」
・「私にそのような言い方をするのは良くないことです」
・「私の話を最後まで聞くと同意しましたよね」
・「あなたがもう少し冷静なときにもう一度話をしましょう」
以上のように、対決時の毒親のネガティブ反応への対応ができるように、対決の前には事前に練習をしておきましょう。
【対決の前や後に思い出したいこと】
対決の前や後に思い出したいことについて。
対決の前や後に思い出したいこととしては、次のようなものがあります。
・親の不健康なコントロールは実際にあったこと
・親のコントロールは私を傷つけ、私は代償を払わされたこと
・私はそのことに関するすべての気持ちを声に出して述べる権利があること
・私が子どものときに親からされたことには私に責任はなく、親に責任があること
・大人としての現在の人生において私がすることには私に責任があり、親に責任はないこと
以上のことを対決の前や後に思い出しておきましょう。
【対決の方法】
対決の方法について。
いよいよ親との対決です。
もし前に解説した対決の準備ができていない場合、対決するにはまだ早く危険であるためその段階では対決してはいけません。
対決の準備が整っている場合、対決の方法には、次のような種類があります。
・両親それぞれ個別に手紙を書く
・手紙を親の写真や親の墓に向かって一人で読み上げる
・対面で話す
それでは、対決の方法を個別に見ていきましょう。
【両親それぞれ個別に手紙を書く】
両親それぞれ個別に手紙を書くことについて。
両親それぞれ個別に手紙を書く手順としては次のようになります。
両親それぞれ個別に手紙を書いていきます。
その際、次のことを書きます。
・あなたが私にしたこと
・そのときの私の気持ち
・そのことが私の人生に与えた影響
・現在のあなたに望むこと
これらの項目を盛り込んで、両親それぞれ個別に手紙を書いていきます。
そしてその手紙を両親に渡して読んでもらいます。
【手紙を親の写真や親の墓に向かって一人で読み上げる】
手紙を親の写真や親の墓に向かって一人で読み上げることについて。
手紙を親の写真や親の墓に向かって一人で読み上げる手順としては、先ほど両親への個別の手紙を書く手順を踏んだ上で、親の写真や親の墓に向かって一人で読み上げていきます。
【対面で話す】
対面で話すことについて。
親と対決のために対面で話す手順としては、次のようになります。
まずは、対決の場面のシミュレーションを十分に行ないます。
そして、対決によって親が改心することはなく、ネガティブな反応や反撃が返ってくると覚悟しておきます。
対決時には、親に自分の話を黙って聴いてほしいことを伝えます。
また、対決時には、自分の話を途中で遮らないでほしいことを伝えます。
そして、対決時には、自分が言い終わったらその後に親の言い分を聴くと伝えます。
そして、対決時には、以上のことに親が同意できるか確認し、親が同意できなければその日の話を延期や中止をします。
そして、親が同意できた場合には、親への個別の手紙に書いた内容を読み上げて、相手に伝えていきます。
親がネガティブ反応を示してきたときは、これまで練習してきたように自己防衛的にならないように適切に対応していきます。
以上のようにして、手紙を書いて渡して読んでもらう対決や、親の写真などに向かって手紙を読み上げる対決や、親と対面で手紙を読み上げていく対決などを通して、親との対決を行なっていきます。
対決ができたら、親との関係が絶望的になったり反撃されるリスクは当然ありますが、親との関係を整理することができたり、親のしがらみを乗り越えて自分の人生を歩むことができるようになるかもしれません。
そしてここまで話してきたように、親との対決がアダルトチルドレン克服に役立つ場合があります。
【まとめ】
今回は、アダルトチルドレンを克服する方法の「過去の心の傷を癒す」の中の「対決」について、わかりやすく解説させて頂きました。
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カウンセリングを行なっている臨床心理士の菜月じゅんでした。
それではまた。