皆さんこんにちは。
カウンセリングを行なっている臨床心理士の菜月じゅんです。
皆さん、大切な物を失くしたり、大切な人を失ったり、これまでできたことができなくなったりしていませんか?
今回は、そういう大切なものを失ってしまった人が、再起していく為のプロセスを解説していこうと思います。
【対象喪失】
愛着を感じていた人や物、依存していた人や物のことを、心理学では「対象」と呼びます。
そして、そういった「対象」を失うことを、心理学では「対象喪失」と言います。
つまり、大切なものを失くした人は、対象喪失したと言えます。
【喪の作業】
そして、対象喪失後の心理的プロセスのことを、心理学では「喪の作業」と呼びます。
この喪の作業は、英語でモーニング・ワークとも言います。
この喪の作業のプロセスを終えることによって、大切なものを失った人は再起するということですね。
【喪の作業のプロセス】
それでは、喪の作業のプロセスを見ていきましょう。
喪の作業のプロセスは、1情緒危機、2抗議・保持、3断念・絶望、4離脱・再建、からなります。
まず、情緒危機について。
情緒危機とは、数時間から1週間程、茫然としたり苦悩するなど心的ストレス反応が出る段階のことです。
次は、抗議・保持について。
抗議・保持とは、対象を喪失していることを認めず、怒ったり、抗う段階のことです。
次は、断念・絶望について。
断念・絶望とは、対象を喪失したことを認め、悲しみ、抑うつを感じる段階のことです。
次は、離脱・再建について。
離脱・再建とは、喪失した対象を諦め、穏やかな感情を抱き、新しい対象を模索する段階のことです。
このように、喪の作業のプロセスは、1情緒危機、2抗議・保持、3断念・絶望、4離脱・再建、からなります。
【再起するには】
そして、大切なものを失った人が再起するには、この喪の作業のプロセスを経ることが必要な訳です。
大切なものを失った人が長い期間、失ったもののことでつらくなるのは、喪の作業が2番目の抗議・保持の段階で止まっていたり、3番目の断念・絶望の段階で止まっているのだと考えられます。
つまり、大切なものが失われたことを認めなかったり、失ったことを認めているけど次の一歩を踏み出していない段階ということです。
その為、もし、大切なものを失った人が再起したいと考えるのであれば、4つの喪の作業のプロセスを一つ一つ処理していくことが重要だと思われます。
【まとめ】
今回は、そういう大切なものを失ってしまった人が、再起していく為のプロセスの話をさせて頂きました。
カウンセリングを行なっている菜月じゅんでした。それではまた。