皆さんこんにちは。
カウンセリングを行なっている臨床心理士の菜月じゅんです。
この前は、失恋した後どうなるのかの話をさせて頂きました。
今回は、失恋への対処と回復についての解説をしていきたいと思います。
【失恋コーピング】
問題に対する対処のことをコーピングと呼びます。
その為、失恋への対処というのは、心理学では失恋コーピングと呼ばれています。
失恋コーピングは、未練型コーピング、拒絶型コーピング、回避型コーピングなどがあるとされています。
【未練型コーピング】
まず、未練型コーピングについてです。
未練型コーピングとは、失恋相手との別れを悔やんだり、思い出に浸ったり、復縁を試みるという対処のことです。
この未練型コーピングは、「告白型失恋」と「離愛型失恋」からの回復が遅れるという研究結果があります。
その為、失恋の回復という観点では、失恋相手との思い出に浸ったり、復縁を試みるなどの未練型コーピングは行わない方が良いと言えそうです。
【拒絶型コーピング】
次は、拒絶型コーピングについて。
拒絶型コーピングは「敵意」と「関係解消」という下位カテゴリーに分けられます。
「敵意」とは、失恋相手を恨んだり、悪口を言ったり、見返そうとすることです。
「関係解消」とは、失恋相手を避けたり、考えないようにすることです。
つまり、拒絶型コーピングというのは、失恋相手を恨んだり、悪口を言ったり、見返そうとしたり、失恋相手を避けたり、考えないようにするということです。
研究によると、この拒絶型コーピングは、「無告白型失恋」と「告白型失恋」と「離愛型失恋」からの回復が遅れるとされています。
その為、失恋からの回復という観点では有効とは言い難いようです。
【回避型コーピング】
次は、回避型コーピングについて。
回避型コーピングは「肯定的解釈」「置き換え」「気晴らし」といった下位カテゴリーに分けられます。
「肯定的解釈」とは、失恋が自分の成長や学びになるなど肯定的に解釈することです。
「置き換え」とは、次の恋を見つけようとすることです。
「気晴らし」とは、スポーツや趣味など何かに打ち込むことです。
つまり、回避型コーピングとは、失恋が自分の成長や学びになるなど肯定的に解釈したり、次の恋を見つけようとしたり、スポーツや趣味など何かに打ち込むということです。
研究によると、この回避型コーピングは、「無告白型失恋」と「告白型失恋」からの回復が早くなるとされています。
回避型コーピングは「離愛型失恋」に対して統計学的に効果的とまでは言えないですが、失恋からの回復にプラスに働くという結果になっています。
【まとめ】
このように、失恋コーピングと回復の関係で考えると、未練型コーピングと拒絶型コーピングは有効であるとは言えず、一方、回避型コーピングがある程度役に立つと言えます。
つまり、失恋相手に未練がある行動は取らないようにし、相手を責めるような考えはしないということ。
そして、失恋経験を肯定的に解釈したり、次の恋をしたり、何かに打ち込むことが良さそうだと言うことですね。
今回は、失恋への対処と回復についての話をさせて頂きました。
カウンセリングを行なっている菜月じゅんでした。それではまた。