皆さんこんにちは。
認知行動療法のカウンセリングを行なっている臨床心理士の菜月じゅんです。
皆さん、過敏性腸症候群による下痢や便秘やおならの症状で困っていませんか?
過敏性腸症候群には、たとえば睡眠改善、食事改善、薬物療法、認知行動療法などが有効だと考えられています。
今回は、過敏性腸症候群に対する「薬物療法」の一般論について、わかりやすく解説していきたいと思います。
あくまで一般論なので、実際の服薬については医師の判断に従うようにしてください。
【過敏性腸症候群に対する薬物療法の概要】
過敏性腸症候群に対する薬物療法の概要について。
過敏性腸症候群に対する薬物療法で使うことがある薬としては、大枠では次のような薬があります。
・「初期治療で使用する薬」
・「下痢を改善する薬」
・「便秘を改善する薬」
・「ガスを改善する薬」
・「腹痛を改善する薬」
・「過敏性腸症候群につながる不安を改善する薬」
それでは、過敏性腸症候群に対する薬物療法で使うことがある薬について、それぞれ個別に見ていきましょう。
【過敏性腸症候群の初期治療で使用する薬】
過敏性腸症候群の初期治療で使用する薬について。
過敏性腸症候群の初期治療で使用する薬として、たとえば次のようなものがあります。
・「整腸剤」
・「高分子重合体」
・「消化管運動調節薬」
以上が過敏性腸症候群の初期治療で使用する薬として、たとえば考えられている薬です。
整腸剤について。
「整腸剤」は、腸内を酸性化して病原菌が増えるのを抑えて腸内フローラを改善します。
整腸剤の商品名としてはたとえば、ビオフェルミン、ラックビー、ミヤBM、ビオスリーなどがあります。
高分子重合体について。
「高分子重合体」の具体的な薬としては『ポリカルボフィルカルシウム』という薬があります。
高分子重合体、ポリカルボフィルカルシウムは服薬すると薬が腸内の水分を吸収してほどほどの硬さの便として膨張したり、便の量を増やします。
高分子重合体、ポリカルボフィルカルシウムの副作用としてお腹の張りなどがあるとされます。
高分子重合体、ポリカルボフィルカルシウムの商品名としてはたとえば、コロネル、ポリフルなどがあります。
消化管運動調節薬について。
「消化管運動調節薬」の具体的な薬としては『トリメブチン』という薬があります。
消化管運動調節薬、トリメブチンは、腸のぜんどう運動を調節します。
消化管運動調節薬、トリメブチンの副作用として便秘、下痢、口の渇きなどがあるとされます。
消化管運動調節薬、トリメブチンの商品名としては、セレキノンなどがあります。
このように、過敏性腸症候群の初期治療で使用する薬として、たとえば整腸剤、高分子重合体、消化管運動調節薬などがありますが、服薬については医師の判断に従ってください。
【過敏性腸症候群による下痢を改善する薬】
過敏性腸症候群による下痢を改善する薬について。
過敏性腸症候群による下痢を改善する薬としては、たとえば次のようなものがあります。
・「セロトニン5受容体刺激薬」
・「ぜんどう抑制止痢薬」
以上が過敏性腸症候群による下痢を改善する薬として、たとえば考えられている薬です。
セロトニン5受容体刺激薬について。
「セロトニン5受容体刺激薬」の具体的な薬としては『ラモセトロン塩酸塩』という薬があります。
セロトニン5受容体刺激薬、ラモセトロン塩酸塩は、過剰な腸のぜんどう運動による下痢を改善します。
セロトニン5受容体刺激薬、ラモセトロン塩酸塩の副作用として便秘、軟便、お腹の張りなどがあるとされます。
セロトニン5受容体刺激薬、ラモセトロン塩酸塩の商品名としては、たとえばイリボーなどがあります。
ぜんどう抑制止痢薬について。
「ぜんどう抑制止痢薬」の具体的な薬としては『ロペラミド』という薬があります。
ぜんどう抑制止痢薬、ロペラミドは、腸のぜんどう運動をゆっくりにして下痢を改善します。
ぜんどう抑制止痢薬、ロペラミドの副作用としてお腹の張り、吐き気などがあるとされます。
ぜんどう抑制止痢薬、ロペラミドの商品名としては、たとえばロペミンなどがあります。
以上のように、過敏性腸症候群による下痢を改善する薬としては、たとえばセロトニン5受容体刺激薬、ぜんどう抑制止痢薬などがありますが、服薬については医師の判断に従ってください。
【過敏性腸症候群による便秘を改善する薬】
過敏性腸症候群による便秘を改善する薬について。
過敏性腸症候群による便秘を改善する薬としては、たとえば次のような薬があります。
・「粘膜上皮機能変容薬」
・「グアニル酸シクラーゼC受容体作動薬」
・「消化管運動促進薬」
・「塩類下剤」
・「刺激性下剤」
以上が過敏性腸症候群による便秘を改善する薬として、たとえば考えられている薬です。
粘膜上皮機能変容薬について。
「粘膜上皮機能変容薬」の具体的な薬としては『ルビプロストン』があります。
粘膜上皮機能変容薬、ルビプロストンは、腸内の水分を増やして便を柔らかくして排便を促します。
粘膜上皮機能変容薬、ルビプロストンの商品名としては、たとえばアミティーザなどがあります。
グアニル酸シクラーゼC受容体作動薬について。
「グアニル酸シクラーゼC受容体作動薬」の具体的な薬としては『リナクロチド』があります。
グアニル酸シクラーゼC受容体作動薬、リナクロチドは、腸内の水分を増やして排便を促進したり、大腸の知覚過敏を改善します。
グアニル酸シクラーゼC受容体作動薬、リナクロチドの商品名としては、たとえばリンゼスなどがあります。
消化管運動促進薬について。
「消化管運動促進薬」の具体的な薬としては『モサプリド』があります。
消化管運動促進薬、モサプリドは、腸のぜんどう運動を促進します。
副作用として下痢、軟便、口の渇きなどがあるとされます。
消化管運動促進薬、モサプリドの商品名としては、たとえばガスモチンなどがあります。
塩類下剤について。
「塩類下剤」の具体的な薬としては『酸化マグネシウム』があります。
塩類下剤、酸化マグネシウムは、腸内に水分を引き込んで便を柔らかくして排便を促進します。
刺激性下剤について。
「刺激性下剤」の具体的な薬としては『ピコスルファート』があります。
刺激性下剤、ピコスルファートは、大腸の粘膜を刺激して排便を促進します。
副作用として頭痛、吐き気などがあるとされます。
刺激性下剤、ピコスルファートの商品名としては、たとえばラキソベロンなどがあります。
以上のように、過敏性腸症候群による便秘を改善する薬としては、たとえば粘膜上皮機能変容薬、グアニル酸シクラーゼC受容体作動薬、消化管運動促進薬、塩類下剤、刺激性下剤などがありますが、服薬については医師の判断に従ってください。
【過敏性腸症候群によるガスを改善する薬】
過敏性腸症候群によるガスを改善する薬について。
過敏性腸症候群によるガスを改善する薬としては、ガス減少薬などがあります。
「ガス減少薬」の具体的な薬としては『ジメチコン』があります。
ガス減少薬、ジメチコンは、腸内のガスを減らします。
副作用として胃腸障害、頭痛などがあるとされます。
ガス減少薬、ジメチコンの商品名としては、たとえばガスコンなどがあります。
以上のように、過敏性腸症候群によるガスを改善する薬としては、たとえばガス減少薬などがありますが、服薬については医師の判断に従ってください。
【過敏性腸症候群による腹痛を改善する薬】
過敏性腸症候群による腹痛を改善する薬について。
過敏性腸症候群による腹痛を改善する薬としては「抗コリン薬」があります。
「抗コリン薬」の具体的な薬としては『ブチルスコポラミン』があります。
抗コリン薬、ブチルスコポラミンは、腸のけいれんや緊張を改善します。
副作用としては口の渇き、排尿障害、目の調節障害、動悸などがあるとされます。
抗コリン薬、ブチルスコポラミンの商品名としては、たとえばブスコパンなどがあります。
以上のように、過敏性腸症候群による腹痛を改善する薬としては、たとえば抗コリン薬などがありますが、服薬については医師の判断に従ってください。
【過敏性腸症候群につながる不安を改善する薬】
過敏性腸症候群につながる不安を改善する薬について。
過敏性腸症候群につながる不安を改善する薬としては、次のような薬があります。
・「抗不安薬」
・「抗うつ薬」
以上が過敏性腸症候群につながる不安を改善する薬として、たとえば考えられている薬です。
抗不安薬について。
抗不安薬の具体的な薬としては、たとえばエチゾラムなどがあります。
抗不安薬、エチゾラムはお腹の症状につながる不安を軽減します。
抗不安薬、エチゾラムの商品名としては、デパスがあります。
抗うつ薬について。
抗うつ薬の具体的な薬としては、たとえばパロキセチンなどがあります。
抗うつ薬、パロキセチンはお腹の症状につながる不安を軽減します。
副作用として吐き気、眠気などがあるとされます。
抗うつ薬、パロキセチンの商品名としては、パキシルがあります。
以上のように、過敏性腸症候群につながる不安を改善する薬としては、たとえば抗不安薬、抗うつ薬などがありますが、服薬については医師の判断に従ってください。
【まとめ】
今回の話のまとめです。
・過敏性腸症候群の初期治療で使用する薬として、たとえば整腸剤、高分子重合体、消化管運動調節薬などがあります。
・過敏性腸症候群による下痢を改善する薬としては、たとえばセロトニン5受容体刺激薬、ぜんどう抑制止痢薬などがあります。
・過敏性腸症候群による便秘を改善する薬としては、たとえば粘膜上皮機能変容薬、グアニル酸シクラーゼC受容体作動薬、消化管運動促進薬、塩類下剤、刺激性下剤などがあります。
・過敏性腸症候群によるガスを改善する薬としては、たとえばガス減少薬などがあります
・過敏性腸症候群による腹痛を改善する薬としては、たとえば抗コリン薬などがあります。
・過敏性腸症候群につながる不安を改善する薬としては、たとえば抗不安薬、抗うつ薬などがあります。
今回は、過敏性腸症候群に対する薬物療法の一般論について、わかりやすく解説させて頂きました。
また、何度も言いますが、あくまで一般論なので、実際の服薬については医師の判断に従うようにしてください。
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認知行動療法のカウンセリングを行なっている臨床心理士の菜月じゅんでした。
それではまた。